ハッカーがSIerで働けない理由をとりあえず考える
Mon Apr 28 13:57:38 JST 2014 (modified: Tue Sep 19 13:17:34 JST 2017)
views: 1932, keywords:SIer,SI業界,デス研,頭の中だだ漏らし この記事は最終更新日が7年以上前のものです。
どうも。どうしても衝動的に書きたくなって急遽これ書いてます。
(後から言い訳: この関係の話が2,3件重なって感情的な文章になっておりますが、書いて公表してしまったのでちょこちょこ訂正はしつつ大筋はこのままにしときます。あと、最初につけたタイトルの「n個」は悪ふざけの類いなので変えました。やっぱりデス研とかで建設的な話としてこの話題は取り扱わないといけませんし、そのためのデス研です。反省しきり・・・。もちろん、ハッカー氏はいろんな人からの伝聞を練り合わせた土偶です。ポンコツである私のごくごく一部も混ざってますが。)
きっかけはFBにあるお方が貼付けた記事: http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2014/04/0424.html と、もう見れませんが、 システムエンジニア確保へ 集団面接会 NHKニュース(もう見れません) です。(後者を見てここ数日間、かなりカッカと来ていたのです。)
前者のリンク先には「研修を受けているのは、この春にIT技術者として入社した47人。プログラミングなどの実践的な技術を学んでいます。ところが、このうちおよそ10人はソフト開発の経験がありません。」とあります。こっちには腹を立てている訳ではありません。これはゲーム会社の話ですが、SI業界では経験者と未経験者の数がひっくり返ることも多いと聞いているので、むしろ「おお」と。一方、後者では「素人がすぐ働ける楽しい職場です」的な感じでいかにもな感じで血圧が上昇したのを記憶しています。
んでこの話題、「未経験者は育てるとよい」という意見は物事の半分しか見ていないような気がします。
いつも思うのですが、このように「人材不足」と言われても、本当なのかなと。2点そう思う理由があって、一つは未経験者がたくさんいたら経験者が働きにくいだろうな(だからゲーム業界に行く等々)という点と、もう一つはそもそも本当にそんなに人が必要なのか?ということです。
今回は前者の話。間違えて古い風習の残るSI会社に入ってしまった凄腕の人、あるいは凄腕になる素質のある人は、この「未経験者」との絶え間ない戦いを強いられるような気がして、そういう気分で不満に近いようなことを書いてみました。実際、私は社外の人と接していてフラストレーションを溜めていたので感情が入り交じっています。ただ、私はハッカーではないですね。働いてないし。滅相も無い。「新卒で会社に入る」という経験自体ありません。設計書ばっかり書かされた経験も、設計書に従ってコーディングしたことも無いと書けば、丸々私のことでは無いと理解していただけるかと。
あと、「上司」や「同僚」は自社の人とは限りません。
SI業界ではハッカー氏はマイノリティー
SIerの新卒では経験者、とりわけ凄腕ハッカーというのはマイノリティーのようです。USPはちょっと特殊なので違いますが、普通のSIerの人の話を聞くと、新卒を経験者未経験者関係なく研修に放り込んで「即戦力」を早く作る行為が毎年なされているようです。Twitterで、シェル芸の人が「研修でエクセル方眼紙やらされてる」と泣いていましたが、そんな感じのことが蔓延しているのがひしひしと分かります。
(リファクタリング・ウェットウェアに書いてあった「シープディップ・トレーニング」ですね。)
まあそれは時間の無駄ですがしょうがないでしょう。ただ、研修の終わった後が恐怖です。そうやって研修を受けた未経験者がマジョリティーになります。まず、ハッカー氏は無駄話で話が会いません。技術の話をしても、「ふーん」で終わります。聞かされる側からすると、実は仕事で使える話でも「自分に関係のない話」に聞こえてしまいます。マジョリティーにとっては「研修で習ったことが全て」なので、それ以外のことが仕事に役立つという発想にはなかなかならないようです。
力の証明ができない
さて、ハッカー氏は現場に行きました。待っているのは「設計書書き」か「設計書を見てコーディング」です。多分、ハッカー氏は設計しながらコーディングするのが当たり前だったと思うので、かなり面食らいます。できない人のレベルに合わせて仕事の習慣ができているので、そこまで降りて行かなければなりません。
しかし、「設計書書き」には苦労します。コードは設計書なので、「設計書の設計書って何よ?」と苦悶します。一方、「設計書を見てコーディング」コースになると競争できるのはスピードだけです。むなしい。
確かにSIerは言われたことをきちっとやるのが仕事で、何か作ったらしっかり引き継ぐのが仕事です。ただ、そのやり方は少しずつ変えて行かないと競争力は落ちて行きます。そのときに、本当に「現在の平均的な労働力」に合わせて仕事のやり方を決めるべきなのでしょうか?
評価されない
さて、「研修が習ったことが全て」という集団の中では、ハッカー氏はよっぽどうまく立ち回らないと評価されません。ハッカー氏の豊富な知識や技術的引き出しの多さは、「研修で習ったことが全て」の方々には評価できないでしょう。仲間内では仕方がありません。できる人でうまく立ち回れない人は孤立しがちです。
ただ怖いことに、上司も「研修で習ったことが全て」の場合があります。こうなるともう、しばらくは我慢の日々を過ごすことになります。本当はハッカー氏がリーダーシップがとれればいいんですけどね。でも、それをハッカー氏に言うのは酷です。だって周りがだれも力があることを知りませんから。
こうなると社内勉強会を立ち上げるなどして目立っていくしかありません。それができる人ならいいのですが、たぶん、そんな人は転職の準備を始めることでしょう。
ミーティングが辛い
ハッカー氏にとって、ミーティングは地獄です。たぶん、同じレベルの人の議論なら積極的になれるのでしょうが、周りの人が「1+1=3派」と「1+1=4派」に分かれて侃々諤々の議論をしています。もう、地獄です。だれもハッカー氏が答えを知っていることに気づきません。ハッカー氏も、行儀よく聞いてることができず内職していてしまい、叱られたりします。
挙げ句の果てに、「研修で習ったことが全ての上司」に、「君は、議論のときに寄与が少ないし、質問もしないなー」と言われてしまい、ハッカーとしてのプライドというより、人間としての最低限のプライドまで傷付けられてしまいます。
たまにそういった高みの見物してたら「1+1=5」と勘違いしてた、ということもなくはないですが、ここで言いたいのは、辛いものは辛い、勘違いだろうがなんだろうが生きてて辛いということです。もっと重要なことは、正解を持っている人も繰り返し何か主張されたら「俺の勘違いかな」とか「じゃあお任せで」と考えて貴重な意見を口にしなくなるということです。
1+1=3とかかなりバカにした書き方をしていますが、結局「無駄なミーティング」というものは無駄なミーティングであって、なんで無駄なのかと考えると、それこそ「1+1=2」を延々と繰り返すか、「1+1=3」と誰かが主張しているか、どっちかのような気がします。
etc...
なんか延々と書いてしまいそうなのでここでやめておきます。心の闇ですね。
ただ、現状に満足しないなら会社としては新しい知識を持ち込んでくる人を厚遇し、ハッカー氏は自分の力を発揮できる世界(それは金銭的には不安定かもしれません)に飛び出していただければ幸いです。マジョリティーの方も、たぶん勉強すれば大丈夫(すばらしい方が何人も出ております)ですが、周りの変な人にもうちょっと興味を持つといいかもしれません。
もちろん、社会や会社のルールはどれだけ有能でも従わなければなりません。未来も自分で切り開いていかないといけません。ただ、この件については、最初に私が挙げた疑問「本当にそんなに人数が必要なのか?」が絶えずつきまとっています。それがもし「不必要」なのであれば、不必要だと信じている人にとっては、従うのは辛いことでしょうし、「必要」と考えている人は業界に居座りやすいことでしょう。それでOKなうちは、それでよいかもしれません。おせっかいでした。
仕事仕事・・・