「異端の統計学 ベイズ」メモ書き
Thu Oct 23 23:27:59 JST 2014 (modified: Tue Sep 19 13:17:34 JST 2017)
views: 3601, keywords:書評,研究,ベイズ統計学,頻度主義 この記事は最終更新日が7年以上前のものです。
読んでよかったです。なんでこんなに統計学がグチャグチャなのか、歴史を追うことでよく分かりました。そして歴史だけでなく、時系列を追うことで理論についても自分の抱えていた矛盾の幾つかが解消された気がします。
読んだ理解を固定するために、人物について整理した一覧を書いておきます。この本を読んで思いましたが、統計の教科書を読んで人の名前のついた定理が出てきても、各人の立場が分からんので分かりにくいのかなと。そういう意味で、このメモ書きは私には有用です。
注: まだ作りかけ。分厚い本なので。
トーマス・ベイズ | ベイズの定理の発見 |
ピエール・シモン・ラプラス | ベイズの定理の再発見。天文、人口統計への応用。 |
アンリ・ポアンカレ | ベイズの定理を使い、裁判への助言 |
エドワード・C・モリーナ | 電話の自動化の際のコストをベイズ的に分析 |
アルバート・W・ホイットニー | クレディビリティー理論の作成。背後にベイズ。 |
カール・ピアソン | 遺伝学者。ベイズの定理をしぶしぶ利用。 |
ロナルド・フィッシャー | 遺伝学者。頻度主義。ベイズの定理およびベイズ派の強烈な排斥。 |
エゴン・ピアソン | ネイマン-ピアソンの補題。後に反ベイズ。 |
イェジ・ネイマン | 頻度主義。反ベイズ。反フィッシャー。 |
エミール・ボレル | 主観的信念の度合いについて。応用に興味。ベイズ派。 |
フランク・P・ラムゼイ | 主観説。ベイズ派。意思決定について。 |
J・S・ミル | 主観確率を批判。 |
ブルーノ・デ・フィネッティー | 保険数理士。数学者。信念の数値化。ベイズ。 |
エリック・エッセン・メラー | 遺伝学者。ベイズ的なエッセン・メラー指数。 |
ローウェル・J・リード | 医学者。ベイズの法則の利用。 |
ハロルド・ジェフリーズ | 天文学者。地球科学者。逆確率、ベイズの定理を使って地球の内部の組成を推定。「確率の理論」 |
アラン・チューリング | エニグマの吐く暗号のベイズ的な推論による解読。シャノンと同様の情報量の定義。オッズ比。 |
アンドレイ・コルモゴロフ | 頻度主義だが現実派でベイズ手法を用いる。 |
クロード・シャノン | 本にはあまり書いてないけど当然ながらベイズの使い手。 |
第二次世界大戦の連合軍 | オペレーションズ・リサーチ(ベイズ的)。 |
私自身は、頻度主義的な仮説検定の考え方が全く理解できない(式を追えばふーんと思うけど、言葉で聞かされると直感的にそれは間違いなんじゃないかと考えてしまい、頭から抜けて忘れてしまう)し、究極のところ確率というのは正しいものがなく個人の主観であると思っているほどの酷いベイズ派です。なにしろ、駒場ではろくに勉強せず、研究室でいきなりベイズ推定から研究をスタートさせたので、ベイズしか勉強してないわけで。そういう意味でも、自分がベイズに出会うまでの前史ということで、もっと早くおさえておくべきでした。まだ上の一覧に書いてませんが最後最後の方にスラン先生が出てきたので、個人的には本当に前史でした。
あ、駒場ではほぼ毎日麻雀だったので、確率の実践的勉強はしてました。訂正。
まだ書きかけだけど寝る。