2024年はこんなの書いた
Sun Jan 5 21:39:34 JST 2025 (modified: Sun Jan 5 22:20:35 JST 2025)
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あけましておめでとうございます。2024年はいろいろ世の中に文章を垂れ流す機会に恵まれ、自分でもなにを流したかわけわかんなくなったんでまとめてみました。ほんとは年末に振り返りができればよかったんですが、今になってしまいました。明日から平日が始まります。今年もいろいろ書くと思うので、よろしければ一瞥お願いいたします。
ロボットの確率・統計(3/21出版)
ロボット扱う研究者が、実験とかロボットのコードを書く時に知っておくとよい確率・統計の話を書きました。数式もでてきますが、基本的には布団や電車の中でリラックスして読むことを想定して書いたものです。
同様の本は2019年に「詳解確率ロボティクス」を出していますがロボットのプログラミングに特化して書いたので、「ロボットの確率・統計」ではもう少し一般的なことを軽口を叩きながら書いてあります。
また、「ロボットの」と題にあるけど、世の中でしぶとく生きるロボットを実現するには人間観察が必須です。ということで、人間のことも書きました。「ロボット屋が人間のことをどう見ているか」という視点だと、ロボットが専門でなくても面白く読めると思います。
ロボットの確率・統計https://t.co/dFJ5ac5uke
— コロナ社☉自然科学専門書の出版社 (@coronasha) December 31, 2024
レビュー一部
特に印象に残った部分は高次元ガウス分布のシグマ範囲と人間の変態度を表す独立なパラメータの話で,多分1年後くらいにも覚えていると思います.
自分が普段考えていることを書きたいように書いた本で、個人的には大変好きな本です。もちろん一読をお勧めします。
魅惑の自作シェルの世界(連載12ヶ月分)
「Rustというプログラミング言語でBashというプログラミング言語を処理するプログラムを書く」という、RustもBashも両方知ってないと読むのが大変な連載をSoftwareDesignという雑誌でやってます。もうこんな大変なのは、この雑誌でしか連載させてくれないんじゃないかと思います。
ただ大変大変と言っても、書くからにはちゃんとセールスポイントはあります。思いつくのは、
- 雰囲気で読んでいてもBashとRustの知識が実例を見ているとついてくる
- 各回に対応するコードがネットに置いてあるので、途中からでも記事のコードを写して動かせて楽しい
- 連載が目的でなく本気で作ってる(mainブランチ見て)
というところでしょうか。Rustに関しては、これからとても重要になってくると考えてますので、私の連載で遊んでもらえると幸いです。もちろんBashもまだまだ重要です。
ロボット学会で使った煽りスライド(9/3発表)
いつも使わせてもらってるROS 2というものについて感謝した上で変な方向に行ってないかとギャーギャー書いたスライドです。動画も残ってます。
ROS(robot operating system)というのはシェアの大きなロボット用の基盤ソフトウェアです。少し役割は違いますが、コンピューターに対するWindowsみたいなものと考えていいかなと思います。ROS 2はビジネス志向で、前のバージョンよりもいろんな機能が強化されてます。
んで、なんで吠えてるかというと、「機能の強化」がソフトウェアにとっては必ずしも良いことではないので、そこに文句言いました。上で例に挙げたWindowsみたいなことになってないかと。作成途中のこのスライドがバズったのも、そのことに酷い目に遭ってる人が多いからじゃないかなとおもいます。
こんな発表したらもう企業に再就職できないのではないか(さすがに当日はこのスライド使わないかも) pic.twitter.com/REUrx2cKjE
— 上田隆一 (@ryuichiueda) August 30, 2024
日本ロボット学会誌での育児休業に関するキレ気味回想(5/22電子版公開)
これもキレてギャーギャー言ってる作文です。無料で自由に読めます。なんでも誰でも平等と押し付けてくる連中、家族が大事と押し付けてくる連中、上下関係を大切にしようと押し付けるてくる連中の三方面に「否」と噛みついてます。貴様がそう思っててもいいけど人に押し付けるなと。挑発的な内容ですが、いちおう大人なので落ち着いた文体で書いてあります。
この企画はロボット学会誌の「『ロボット研究者と妊娠・出産・育児』特集」の一部でした。この特集の実現に奔走された内山先生の行動力には驚くばかりです。私も他の執筆陣の皆様と同様、働きたい女性(もちろん男性も)が家庭に閉じ込められるのは人道的にも経済的にも大変よろしくないという立場で書いていてそれはそう信じてるんですが、その話と上の噛みつきを4ページにまとめたところが読みどころかなと。
かなり偏ったことを書いているようにも読めるのですが、たぶん読解にあたっては、私の作文の背景に、
- 変態的・超人的な仕事 >> 家庭 >> 会社組織での仕事
という考え方があるというのを知っておくとよいかもしれません。
- 変なことをいろいろやってきた人間として、平凡な価値観に変人が絡め取られるのは見ていてむなぐそ悪い。不安にかられて自分自身の老後の準備だけをせっせとしているような人間が、なんか面白いことをやろうとしている人間に家庭を最優先にしろと意見をすることは、基本あってはならない(もちろん準備も面白いことも両方やるのが理想)
- 猿山組織に入って上下関係のなかで仕事をするのが夢ならそれは止めないけど、代わりがいくらでもいるので家族を犠牲にするのは間違い
という考えに基づき、子育てについていろいろ考えていることを書きました。
学会の予稿(12/18発表)
久々に単著でなんかしました。やったことは、ロボットの周りで動いてるものの将来の位置を推測する方法の提案です。みんなニューラルネット使いすぎだと思ってるので、使わない簡単で速い方法を提案しました。学会のポスターを埋め込んどきます。
「最近の研究、なんか凝りすぎてるけどほんとにそんなに凝るのが大事か?」と喧嘩を売る内容ですが、まだ未完成なのでいま改良中です。ここで作ってます。
横幹連合の本(12/20出版)
学会を横断した活動をしている横幹連合という組織があるんですが、そこからロボット学会経由で依頼があり、配膳ロボットとか車の自動運転で重要な位置計測の技術について、黎明期から今日までの流れを1章分書かせてもらえました。この本です。どういうふうに技術が広がっていったか、なんで日本は少し停滞してしまったのかを当事者として書きました。元の作文は2023年のロボット学会誌での解説で自由に読めますが、一般の人向けにかなり内容を簡単にしました。
自分で書いてて思ったんですが、自分の20代って、かなり特殊な状況にいたんだなと。お金にはあんまりなりませんでしたが、光栄なことです。ただ、そういう殊勝なことをここに書いていても、 国に対するブチ切れが混入しています。
〇〇〇〇(2/26陳述)
ちんちん
— 上田隆一 (@ryuichiueda) February 26, 2024
たぶん病気だと思うんですけど、なんでちんちんってマイクロブログに書くのって楽しいんですかね?ちんちんがマイクロブクロという意味ではありません。
↓考察(?)してみた。
論文書いた
— 上田隆一 (@ryuichiueda) February 26, 2024
ついったで1年ぶりにちんちんと書き込むとどうなるか | 上田ブログ https://t.co/A2RSsOcQJa
おわりに
以上、7つ挙げてみました。まだなにかありそうですが、思い出したら追加します。最後ちんちんかよ。ここに挙げていない非公開のものもあるので、公開できるようになったらまたインターネッツに放流したいと思います。
現場からは以上です。