コンピュータとロボット(と生物)1/3

Mon Mar 14 10:53:20 JST 2016 (modified: Sat Sep 30 16:15:34 JST 2017)
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コンピュータとロボット
(と生物)

1/3

    千葉工業大学 未来ロボティクス学科

上田 隆一

ロボット

 

  • 今日の話は「自律ロボット」
    • 起動、終了の時以外、人が操作しない
    • 例: ロボットサッカー

ロボットの部品

 

  • どんなものがあるでしょうか?
    • モータ(アクチュエータ)
    • センサ
      • カメラ
      • スイッチ
    • 電池・その他細かいもの
    • ???
 

Q. なんでしょう?

A. コンピュータ

  

  • 普段我々がいじっているコンピュータ
    • インターネット、LINE、Twitterをするもの
    • YouTubeを見るもの
     
  • 機械(ロボットを含む)の中のコンピュータ
    • 「組み込み用コンピュータ」や「マイコン」と呼ばれる
    • 実はこっちも多い

Q. コンピュータは
何してんの?

  例えばエアコンや電子レンジを考えてみましょう。  

  • センサとモータ(や電波を発生させる何か)を連携
  • どうやって?
    • 時間を取るので「小学生相手に説明する方法」
      を考えてみましょう。

説明できないので
話を変えます

 

  • 動物は?
    • センサの代わりに目、耳、舌、・・・
    • モータの代わりに筋肉
     
  • 連携させているのは何?
 

今日の話

  

  • 以下をごちゃまぜでお送りします
    • ロボットからコンピュータを考える
    • コンピュータからロボットを考える
    • 動物からロボットを考える
    • 動物からコンピュータを考える
   
出典: ニコライ A. ベルンシュタイン(著)、工藤和俊(訳)、佐々木正人(監訳): デクステリティ 巧みさとその発達、金子書房、2003。
(注意: 動物の分類が古いので現在のものとはズレがあります。)

動物がなぜ存在するか

  

  • 動物(の原型)が誕生した理由は単純
    • 自身のコピーを作る仕組みを持ったもの
      (たんぱく質の一種)が偶然できた
    • コピーの速さが消滅する速さを上回ると増える
     
  • 手口が巧妙化(進化)
    • 増える: 自身や自身のコピーの材料を外から持ってくる(食べる)
    • 消滅を防ぐ: 自身を食べる物や過酷な状況から遠ざかる(逃げる)
    • →よりうまく食べ、よりうまく逃げる動物が増える

動物以前・原生動物

   

  • 自己増殖するたんぱく質が発生
    • (講師注)それがどんなタンパク質かを
      講師は知りませんが、ウイルスは細胞を持たず、
      タンパク質で、自己増殖できます。
     
  • やがて袋状の「細胞」が発生
  • 単細胞生物
    • 単体でなんでもこなす
      • 食事、運動、増殖

腔腸動物・棘皮動物

サンゴ、海綿、ウミユリ、ヒトデ、ウニ
(「腔腸動物」は古い用語)   

  • 多細胞: 細胞がまとまって生活
  • 細胞間に役割分担
    • 表面の細胞は外部からの刺激を受ける
    • 内側の細胞は変形・収縮等の運動を持つ
Sponge-natural
モクヨクカイメン
By Johan (Own work) [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)], via Wikimedia Commons
Asterina pectinifera ja01
イトマキヒトデ
By miya (miya's file) [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

 

情報の伝達が必要に

 

  • 表面の細胞が外で起こったことを内側に伝える
    • 最初は化学物質がじわっと伝達
     
  • 次に電気刺激が使われるように
    • 化学物質より早く伝わる
  • 神経系ができる

蠕虫

ヒル、サナダムシ(「蠕虫」は古い分類なので注意)   

  • ソーセージ型
    • 「口側」・「肛門側」ができる。
    • この形がのちの進化に非常に重要
     
  • 「口側」の方が敏感に
    • 食べるために口側から動く。先に危険と出会う。

写真は自粛

遠隔受容器の発達

  

  • 口側の細胞が接触以外の刺激を受けるようになる
    • 視覚: 温度→熱射放(赤外線)→電磁波(可視光線)
    • 嗅覚: 化学物質との接触→飛散する化学物質
    • 聴覚: 物理的な接触→振動

移動運動の発達

  

  • 遠隔受容器の発達で運動にも変化
    • 遠隔受容器前
      • 餌や危険と接触した部分を引っ込ませる。
        のたうちまわる。
    • 遠隔受容器後
      • 体全体を餌に向かわせたり危険から遠ざけたり
     

その後

  

  • 神経系の仕事が増えていく
    • 体の各部分の動きを統合して意味のある動きにする
    • 餌や危険に対して動く時の計画を立てる
     
  • 遠隔受容器の近くに神経の塊ができる(脳)

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