コンピュータとロボット(と生物)2/3

Mon Mar 14 15:20:15 JST 2016 (modified: Sat Sep 30 16:15:34 JST 2017)
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コンピュータとロボット
(と生物)

2/3

    千葉工業大学 未来ロボティクス学科

上田 隆一

Q. もう一度考えましょう

 

  • ロボットや機械におけるコンピュータの役割は?
  • 生物との違いは?

コンピュータ・ロボット

 

  • コンピュータ: センサの情報をモータの動きに変換
  • ロボット: センサ・モータ・コンピュータが連携したもの
  •  
  • 生物の神経系・脳と役割は同じ。
  • 情報の伝達に使うのも電気信号なので同じ。
    • もちろん構造は異なる。
     
  • 人間の欲望と共に進化中
    • (しかし、ロボットが自己増殖し始めたら、
      どうなるんでしょうね?)

もっとも簡単な
「ロボット」

 

  • 自動ドア
    • 単機能ながら洗練されたロボット
    • これ、どうなってるんでしょう?
     
  • センサがある。ドアを開くモータがある。

単純な回路の例

このままだと色々問題がありますが・・・

構成要素

  • センサ側
    • 反応すると小さい電流をON/OFF
  • モータ側
    • リレーのON/OFFでモータに電力を送る・送らない
  • リレーが自動のスイッチになる
    • 人の手が介在しないスイッチ
    • 入力から出力を導く(コンピュータの本質)

もっと凝るとどうなる?

      

  • 人を絶対に挟まないようにセンサを増やそう、等
  •  
  • バリエーションが増える
    • 両方反応したらON
    • どっちかが反応したらON
     
  • バリエーションを考えてみましょう
    • 電流の強弱は考えずとりあえずONとOFFだけ考える
    • ディジタル回路

ANDの回路

    

  • 両方ONならONの回路
    • 使用例: 小さな虫に反応しないように二つセンサが反応したらドアを開く
    • (センサもスイッチなので話がややこしくなるため、
      以後、センサとモータを取り払った回路で考えます)

ORの回路

    

  • どちらかがONならONの回路
    • 使用例: ドアの外と内のどちらかのセンサが反応したらドアを開く

スイッチを小さく

    

  • リレーでANDやORなどの回路を組み合わせると
    複数のセンサの反応から様々なモータの動かし方を
    実現できそう
    • 回路を横に並べたり縦につないだり
     
  • 複雑な回路ではリレーの数が増える
  • リレーは大きい、遅い、(昔は)壊れる

半導体への置き換え

    

  • より小さく、より低消費電力で、よりON/OFFを速く
  • 真空管→トランジスタ・電解効果トランジスタ(FET)
  •  
  • 例(MOSFET)

FET(MOSFET)

    

  • 3本線が出ている(左図)
  •  
  • N型: ゲートに電圧をかけるとスイッチON
  • P型: ゲートに電圧をかけるとスイッチOFF
  • 右図: N型MOSとP型MOSの記号

D2PAK By No machine-readable author provided. CyrilB~commonswiki assumed (based on copyright claims). [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html), CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/) or CC BY-SA 2.5-2.0-1.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5-2.0-1.0)], via Wikimedia Commons

MOSFETを使った
ディジタル回路

    

  • P型とN型を組み合わせて使う
    • complementary MOS, CMOS
  • 下の例: 入力をひっくり返す回路(NOTゲート)

NOTゲートの電子回路

NANDゲート

  • 組み合わせると入出力のパターンを自在に作成可能

NANDゲートの回路

NANDゲートの汎用性

  

  • 回路がややこしいので次のような記号で表しましょう。
  • NOT, AND, ORが作れる
  • 他、過去の入力を覚える機能も作れる(記憶)

二進数

   

  • ON/OFFも書くのが面倒なので1と0で表しましょう
  • ON/OFFを幾つかまとめると数が表現できる
    • OFF OFF (00): 0
    • OFF ON (01): 1
    • ON OFF (10): 2
    • ON ON (11): 3
  • 計算できる(下図: 足し算の回路)
    • さらに複雑な入出力が作れる

NandFullAdder
(public domain)

小さく、多く

  

CPU(中央演算装置)

  

  • 入出力関係が複雑になると回路を作るのが大変
    • 複雑な出力の例: ディスプレイに絵を描く等
  • いくつかの汎用的な回路を使い回して様々な出力
    • 計算の手順を記憶しておく(プログラム)
    • 少しずつ出力を作っていく


By smial (Own work) [FAL or GFDL 1.2], via Wikimedia Commons

 

このパートのまとめ

   
  • 人が機械により便利なことをさせようとして
    コンピュータが進化してきた
  •  
  • 生物が増殖のために脳を大きくしたのと似ている(?)
    • でも基本はスイッチ・センサ・モータである
 

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